目次
ビッグデータとは何か
- ビッグデータとは具体的にどんなデータなんだろう?
- ビッグデータは反社チェックに有効なのか?
- ビッグデータを使った反社チェックの方法を知りたい
このようにお考えの方に、ビッグデータについて解説します。
ビッグデータの定義
近年、IT業界以外の業界でもビッグデータが活用されています。
その名の通り、ビッグデータとは全体の把握が難しい巨大なデータ群です。しかし明確な定義は存在しません。
総務省の情報通信白書では、「典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指す」と綴られていますが、これはあくまでも主観的定義であるとされています。
ビッグデータと呼ばれるためにどの程度のデータ量が必要であるかは定められていません。
ビッグデータが今日のように活用されるようになった背景には、1990年代からの急速なインターネット普及があります。データ量が増大し、2010年代になると生活に欠かせないものとなりました。
また通信技術の目覚ましい発達、スマートフォンの普及により、現在は日々膨大なデータが日常的に作られ、やり取りされています。
この流れがビッグデータへの関心を集め、様々な業界で活用されるようになったのです。
ビッグデータの種類
ビッグデータを構築するデータの種類はテキストや画像、動画、音声など様々ですが、以下のような種類があります。
- 構造化データ:行と列の表形式で成立(Excelデータ、CSV)
- 非構造化データ:内容に規則性がなく、表形式に変換できない(音声、画像、動画、テキスト、PDFなど)
- 半構造化データ:一定の規則性を持つものの、表形式ではない(XML、JSON)
最近ではAIの目を見張る発達により、膨大なデータから特定の条件をもって解析可能となりました。
写真や音声、文書などの非構造化データも活用できます。例えば複数の類似写真の中から、ある条件に合致した写真を選べるのです。これは対象をふるい分けるスクリーニング機能といえます。
ビッグデータに必要な5つの要素
ビッグデータには、従来「3V」が必要との考え方がありました。
- Volume(量)
- Variety(多様性)
- Velocity(処理速度)
つまり、多くの量、豊かな多様性を持ち、高速処理ができるデータをビッグデータと呼んでいたのです。
現在では、新たに2つの要素が加わり「5V」が主流とするのが一般的になっています。
- Value(価値)
- Veracity(正確さ)
このようにビッグデータには、量の多さ、豊かな多様性、処理の速さとデータ自体が持つ価値、高い正確性が求められています。
ビッグデータの分類
ビッグデータは以下のように分類できます。
- SNSデータ
- ウェブサイトデータ
- センサーデータ
- マルチメディアデータ
- カスタマーデータ
- オフィスデータ
- ログデータ
- オペレーションデータ
1つずつ見ていきましょう。
SNSデータ
SNSへの投稿、プロフィールを指します。
日々世界中の人がSNSに寄せる投稿の中には、ユーザーの居住地や年齢、趣味嗜好などパーソナルな情報が盛り込まれています。
あらゆる分野で非常に有効なビッグデータと言えるでしょう。
ウェブサイトデータ
ECサイト、ブログなどを訪れたユーザーのデータです。
購入履歴の他、以下のようなものが挙げられます。
- 流入経路:ユーザーがどのように自サイトに辿り着いたか
- 滞在時間:ユーザーがサイト内にどれくらいの時間滞在したか
- 回遊率:訪問1回につき、サイト内のページをどの程度閲覧したか
- 離脱率:ユーザーがサイトを退出またはブラウザを閉じた割合
センサーデータ
ICカード、GPS、RFID(電波で複数のタグを読み取る技術)などから取得されるデータです。
- 位置情報
- 乗車履歴
- 温度
- 湿度
- 指紋
これ以外にも多くのセンサーデータが存在します。
家電や電子機器、建物などをインターネットに接続し、情報交換を行うIoTの技術にも活用されるデータです。
マルチメディアデータ
インターネット上で配信されている動画や音声、画像などを指します。
他の例を挙げますと、携帯電話は電話とネットワーク、カメラの機能を搭載した電話のマルチメディア化を具現化したものと言えるでしょう。
カスタマーデータ
CRM(顧客管理システム)によって管理されるデータです。
以下のようなものがあります。
- ECサイトのアクセスデータ
- 住所、氏名、電話番号などの会員データ
- 実店舗及びECサイトでの購入履歴
- DMなどの販促データ
- アプリのアクセスデータ
- 顧客からの問い合わせデータ
これらをデータベース化し、市場調査やマーケティングに役立てているのがCDP(カスタマーデータプラットフォーム)です。
点在しているカスタマーデータを一元化し、あらゆる分析やマーケティングに活用されています。
オフィスデータ
オフィスデータ→会社で作成される文書、メール、社内ツールのデータ
社内のあらゆるデータを指します。
メール、使用ツールのデータや作成された文書などです。
ログデータ
ログデータはコンピューターや通信機器がある一定の処理を行った、もしくは行えなかった時の記録です。
サーバーに蓄積されたアクセスログ、エラーログ、通信記録がこれにあたります。
オペレーションデータ
POSデータや取引明細データです。
POSデータとは、POSレジで得られる顧客の販売記録です。購入日時や購入店舗、商品名や販売個数など、多くのデータが蓄積されます。
多角的な分析により、マーケティングに活用できます。
ビッグデータを用いたスクリーニング調査
スクリーニング調査とは、簡単に言うと対象者をふるい分けることです。
本調査にあたり、必要な調査対象者を選抜するために行われる事前調査のことをいいます。
よくある実例はアンケートです。実際の本調査であるアンケートを実施する前に多くの対象者をふるいにかけ、ターゲットとなる対象者だけを選びます。
スクリーニング調査を行うメリットは以下の通りです。
- 余分な調査コストがかからない
- 本調査の正確性・信頼性が高まり、分析の時間を短縮できる
膨大な量のビッグデータを用いた分析を行うにあたり、対象となる人や事、物を絞り込めるスクリーニング調査は大変有用と言えます。
ビッグデータを使った反社チェックとは
近年ではインターネット上に、誰でも気軽に利用できる反社チェックツールや、分析ツールが出回っています。また、ある特定の業界では、顧客や取引相手の一定の信用性を担保する手段として、独自のチェックツールを導入している企業があります。しかし、どのツールが最良なのかは断言できません。それは反社チェックツールに以下のような限界があるからです。
- 反社会的勢力の定義があいまい
- 反社チェックツールの情報ソースが不透明
- 暴力団排除条例により暴力団員が半グレ化し、チェックツールでは該当しない
- 公開されている情報は制限が設けられているため網羅性が低い
上記のような問題を解決する手段は他にもありますが、今回はあくまでもツールに絞った形での、反社チェックサービスを利用する際のポイントを以下で解説します。
反社チェックサービスを利用する際のポイント
反社チェックサービスは非常に数が多く、選ぶのが難しいと感じるかも知れません。
以下の3つを満たしたサービスを選ぶようにしてみてください。
- 調査範囲
- スクリーニング機能
- API連携対応か
1つずつ解説します。
調査範囲
サービスによって、情報ソースは異なります。
調査にあたり、情報ソースの信頼性は非常に重要です。インターネット上のものだけでは確実とは言えません。
信頼のおけるソース元は、新聞や官報、更には警察関連です。これらをソースとした反社チェックサービスかどうかを重視してください。
スクリーニング機能
前述したスクリーニングが行われるかもサービスを選ぶ大切なポイントです。
- RPAなどで自動化しているサービスもある
- RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とは、ソフトウェア型のロボットを使い定型業務を自動化する仕組みです。
事務作業などのルーチンワークなら時間短縮に繋がりメリットが大きいのですが、反社チェックツールでの使用は信頼性の低い情報が紛れ込んでしまうケースがあります。
集めた情報の中から信頼性の高い、重要な情報をスクリーニングしてくれる機能が必要なのです。
API連携対応か
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、ソフトウェアの機能を別のソフトウェアから呼び出す技術です。
利用すれば異なるソフトウェアの連携が可能となります。
例えばクレジットカードで買い物をする場合、API連携していると下記の流れになります。
- 店舗がクレジットカード会社のAPIにカード番号などの情報を照会
- クレジットカード会社から決済の可否
- 決済
顧客側は手軽に決済でき、店舗側が特別な決済システムを用意せずともAPI連携によりスムーズに対応できます。
反社チェックにおいては、API連携がなされているとCRMなどのツールを用いてのチェックが容易になります。時間短縮に繋がり効率が上がりますので、API連携に対応しているのかも確認してみてください。
ビッグデータを活用し適切なスクリーニング調査で反社チェックを実施しよう
反社チェックはコンプライアンスの観点からも非常に重要です。
しかし反社会的勢力の定義が曖昧になっている現在、相手の実態を調査するには非常に手間や時間がかかります。
新規契約の前に相手がどんな人物かを早急に確認したいと思っても、なかなかスムーズにいかない場合があります。
そんな時には反社チェックサービスはもちろん、独自のデータベースや調査ノウハウを持つ調査会社に依頼しましょう。
個人では到底網羅できないビッグデータを活用し、最短の時間で、確実性の高い結果が得られます。