会社には複数の人間が寄り合うため、中には健全な組織運営の邪魔をする人がいます。
そのような社員は問題社員と呼ばれ、放っておけば問題はどんどん大きくなります。問題社員についてはいちはやく何とかしたいところですが、扱い方をまちがえるとこじれますので、適切な対処が必要です。
こちらでは、専門家による不正調査を利用した問題社員の対応について詳しく解説しています。
問題社員の取り扱いでお困りの方はぜひお目通しください。
目次
問題社員についてなぜ不正調査が必要なのか
問題社員の対応には専門家を使った不正調査が望まれます。
その理由はいくつかありますが、ひとつは客観性の確保のためです。
客観性の確保のため
組織は規模の大きさにかかわらずそれぞれの文化や価値観を持っています。それが組織の強さを作る大切な要因でもありますが、社会的公平性の観点からは少しズレているとされることがあります。
組織として問題と認識すればそれは組織には必要な判断なのですが、社会的には認められないことがあり得るということです。そこで外部の専門家の目を借りることで、客観的な問題点の把握ができます。偏りすぎず社会との整合性を持って該当者の問題点をつかむために専門家の不正調査が役立ちます。
法的に有効な証拠を得るため
不正調査が必要なもうひとつの理由は、法的に有効な証拠を得るためです。組織内で問題が浮上すると、なんとなく状況証拠や同僚等の証言に頼るところが多く、決定的とするには難しいのが通常です。
そこで専門家の不正調査を利用すれば、法的処置にも使える客観性のある証拠を手にすることができます。証拠の一例として、仕事をさぼってサウナに通う証拠写真や、競合他社の人間との接触がわかる証拠写真、前に務めていた会社から聞き取った内容などです。
また、組織が外部不正調査を入れずに力業で問題社員を退職に追いやれば、後に情報漏洩や労働局への通報など思わぬ反撃を受けることがあります。そのような事態を避けるために不正調査でしっかりと組織側の足下を固めておくと安心です。
外部の専門家による不正調査をすることで、問題を客観的に判断してその後の対応に必要な証拠を集めることができます。適切で失敗のない対応をするために、不正調査が有効です。
問題社員の対応における不正調査の活用方法とは
不正調査を活用すれば、そこで得られた証拠を使って適切かつスムーズに問題社員の対応ができます。
内部の状況証拠に頼って、客観的な証拠がとれないまま先行して問題社員の聞き取りを実施すれば、その間に証拠を隠蔽される可能性があります。ほかにも、問題社員があたかも自分の方が被害者であるかのように外部に相談するケースがあり、それによって問題がすり替えられてしまうことがあります。そうなる前にしっかりとした証拠を得て、それを活用して対応していきましょう。
会社組織内で内部調査の専門部署を備えている場合でも、そこに外部調査をプラスすることでさらに客観性が高まり、より強力なエビデンスとなります。
不正調査で得られた証拠は、今後のトラブル対策に活用できます。客観的証拠を検証すれば、問題の根源についてや、問題の初期に起きることが見えてきます。どのような社員が問題社員になり得るのかまた、どのようなサインに気をつけるべきかを明らかにして、普段の社員教育や面談に役立てるのもひとつの方法です。
ひとりの問題社員に対する不正調査であっても、上手に活用することで、隠れた問題の発見や今後の予防対策にも使えます。
不正調査を利用する前にやっておきたいこと
不正調査を利用する前にやっておきたいことのひとつは、組織内でこの問題の取り扱い方をはっきりと決めることです。
特に不正調査の情報を共有する人員と、不正調査の範囲についてどうするのかを考えておくことが大切です。
不正調査が実施されることが社内で噂になると、該当の問題社員に届くことがあります。それを望まないなら情報共有する人員を限定して、その人以外には絶対に知らせないことをおすすめします。
複数人で不正調査の情報を共有した場合、問題の取り扱い方や不正調査を行う専門家に対する考え方で相違が生まれることがあります。それを避けるため、該当の問題社員の今後の処遇や社内対応について指針をはっきりさせておくと安心です。
加えて不正調査を進める上で、利用する専門家との信頼関係がとても大切です。事前面談でしっかり話し合い、信用のおけるプロを選んでください。
不正調査後の対処方法
不正調査で証拠が集まれば、いよいよ本題である問題社員の対処に移ります。
処分の前に専門家の集めた証拠と合わせて、社内で把握できる損害や証拠があればそれも準備するとより対応がスムーズです。
問題社員の対処方法として、証拠を持って本人と話し合う方法があります。話し合いではありますが、事実上の退職勧告ですので慎重に進めなければなりません。問題社員の性格や普段の態度を鑑みた対処が望まれます。
横領や着服については、刑事告訴についても考える必要があり、その場合は金額の大小だけでなく、組織や社会通念とを合わせてどうすべきかを判断することになります。
一通りの証拠が出そろってからも、必要に応じて外部調査員に相談して追加調査などで対応しながら、組織にとって最も良い選択をしてください。
やってはいけない問題社員の対応・失敗ケース
問題社員の対応で気をつけたいのは、はっきりとした証拠がないときの対応です。証拠が少なくても直感的にクロだと感じていれば、つい感情が先行します。そこで相手を追い詰めたり、強い言葉で叱責すれば相手が思わぬ反撃に出ることがあります。
労使関係は一歩外に出れば雇用される側が強いのが現状です。逆手に取られるような行動は組織として失敗ですのでくれぐれも気をつけてください。
また、不正調査が入ってからは普段と大きく態度を変えないことが大切です。基本的に問題社員を俯瞰するスタンスが望まれます。調査中に問題社員に関わりすぎたり、必要以上の言葉をかければ後で思わぬ失敗につながることがあります。
問題社員の対応は、感情や焦燥感で行動せず適切な事実確認を積み重ねて進めることで失敗が避けられます。
不正調査の対象となる問題社員とは
問題社員とは、組織に不利益をもたらす社員のことです。
- 横領や着服で実質的損失をもたらす社員
- サボり行為や遅刻早退、欠勤を繰り返す社員
- ハラスメント行為の加害者
- 情報漏洩をする社員
- 社内規則に反する社員
ほかにも、経歴詐称や実力不足で仕事ができない社員も問題社員といえます。
こちらに挙げた以外にも、それぞれの組織特有の問題社員もいます。
取り扱いの難しい社員が問題社員にあたるかどうかで迷われたり、問題と呼べるかどうかはわからないが会社として対処が必要な事例については、個別に調査員にご相談ください。
不正調査が本人にバレるリスクはあるのか
調査員側はあらゆる調査の現場に携わるプロです。調査員側の理由で不正調査が本人にバレることはまずありません。
ただし、依頼主である組織側の行動で本人に不正調査をしていることがバレてしまうことはあり得ます。不正調査をしていることを内部または外部の人に漏らしたり、問題社員に対してこれまでとちがう対応を取ることのないよう注意が必要です。
不正調査について依頼主が家族や会社とは関係がない友人・知人に漏らしたところから、思わぬ展開で社内にそれが届くことがあります。
また、問題社員の性格にもよりますが、自分の行動が問題だと認識しているタイプであれば、状況に敏感になっているため、何かのきっかけで自分がマークされていることに気づく可能性はあります。
問題社員の取り扱いは、ひとつまちがえれば組織側に火の粉が降りかかります。外部調査組織は、そのあたりを踏まえたアドバイスが可能ですので、安心してご相談ください。
問題社員を作らないために会社としてできること
問題社員を作らないために組織としてできることのひとつは、不正を許さない組織の姿勢を社員に見せることです。たとえば組織内で起きた問題を上申しやすい環境を作ったり、法令遵守の研修を定期的に行うなどが考えられます。
本来、組織内で疑うことも疑われることも決して面白くはありません。そのことを踏まえて、問題を生みにくい環境作りにつとめる姿勢を持つことで経営者と社員との望ましい関係が育ちます。
そしてもし、問題社員が発生したときはできるだけ速やかな対応が必要です。内部社員のこととなれば、問題を意識しつつもなかなか動けずにいたり、また逆に感情的になって強引に動いて問題を大きくする事例が多々あります。そうならないために、早い時点で外部の専門家に解決を依頼することをおすすめします。
問題社員は組織の問題を知らせてくれる存在です。問題社員をただ消すだけではなく、より強い組織になるためのステップとして活用してください。
問題社員の対応は不正調査の活用が効果的です
清水に魚住まずと言われるように、クリーンさを追求することだけが望ましい組織作りとはいえません。しかし、組織に悪影響のある問題社員は適正に対応しなければ、やがて組織を揺るがすことになりかねないのが事実です。そこで、適切な対処が必要になります。
社内の不正、特に問題社員については内部の問題であることから非常にデリケートでその取り扱いが簡単ではありません。適切かつ安全な解決を求めるのであれば外部不正調査の利用をご検討ください。
外部調査組織は、組織側の意向に沿った望ましい問題解決をサポートするものです。問題の核になることはもちろん、それをとりまく心配事も合わせて相談できます。
社内統制は企業の健全経営の基盤です。
御社の問題がいちはやく解決し、ますます発展されますことをお祈りしております。