社内不正調査を外部専門家に依頼するメリットと起こり得るリスク

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社内不正調査を外部の専門家に依頼するかを検討するとき、どんなメリットやリスクがあるのかが気になるところです。

メリットを理解することで、それを組織でどう活かすかを考えることができます。

またあらかじめしっかりとリスクを知っていれば、回避するための対策や、それにどう対処するかの準備ができます。

こちらの記事では、社内不正について外部調査の専門家が、外部調査のメリットとリスクについて解説しています。

これから、外部調査を依頼される方のご参考になれば幸いです。

社内不正調査を外部専門家に依頼するのはどんなときか

社内での不正には様々なケースがあります。

ハラスメントのような問題や、横領といった金銭トラブル、取引先など社外を巻き込んでのトラブルもあり、その規模についてもそれぞれです。

外部による専門家は、社内不正調査で起こり得る、どのようなケースにも対応しています。

法律に抵触する問題であれば、警察や法律の専門家に頼ることも必要ですが、そのための証拠収集に外部調査を利用すれば、迅速で失敗のない対応ができます。

内規違反や、人間関係のトラブルは、扱いがデリケートで、問題認定が難しいのが特徴です。

一昔前であれば、肌感覚や社内の風習に従って処理できた問題であっても、現代では同じように対処すれば、問題がこじれたり大事になったりする危険性があります。

社内不正の外部調査は、問題の詳細や大小を問わず、それが発覚したり感じられたときは勿論、普段から抑止力の一つとして実施するのがおすすめです。

社内不正調査を外部専門家に依頼するメリット

社内不正調査を外部に依頼することで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

外部調査で出来ることがわかっていれば、特に力を入れて欲しいことを検討したり、調査後にそれをどう利用するかを考えることができます。

ここからは外部調査のメリットについてみていきましょう。

裁判で有効となり得る証拠が得られる

社内不正について今後、法律に委ねることになれば、複数の有効な証拠を提出する必要があります。

裁判では、いくつもの積み重ねられた証拠を元に判決がくだされるため、有効となる証拠をできるだけたくさん集めておかなければなりません。

それを専門的に行うのが外部調査です。

実際に裁判に持ち込むときはもちろん、社内不正の当事者との話し合いをするときにも、裁判で有効となり得る証拠を持って対峙することで、しかるべき対処がしやすくなります。

事後処理をスムーズにするために、社内調査と並行して外部調査の利用がおすすめです。

客観的に判断できる

組織内は閉鎖空間です。組織内だけで社内不正の調査をしたり、その内容について検討していると、どうしても大きな視野に欠けて、社会的に望ましい判断とずれることがあります。

また、組織の対応は社会的に妥当なものであることと合わせて、社内の従業員が納得するものでなければなりません。

ほかの従業員の納得が得られなければ、いずれ不満因子となって別の不正を招くことがあります。

そこで外部の専門家の目を入れることで、問題そのものについて客観的に判断ができます。

加えて、客観的証拠を揃えたり、今回の不正の周りにある問題や根本原因に気づけるのも外部調査のメリットです。

外部調査を利用することで、問題の根本に行き当たり、それを今後の組織作りに活かすこともできます。

専門的な調査ができる

不正の証拠をみつけるのは容易ではありません。

特に昨今では、ネット上やPC・タブレット等機器内にその証拠があることも多く、削除されたり隠滅されたものから拾い出す必要があったりもします。

その作業には専門性が必要で、うまくやらなければ完全に消滅することや、細工される可能性があります。

外部専門家であれば、そういった専門知識が必要な調査にも対応しているので安心です。

社内で解決が難しい問題は、できるだけ速やかに外部調査を依頼することで、多くの証拠を拾い出すことができます。

社内不正調査を外部専門家に依頼したときに起こり得るリスク

社内不正調査を外部業者に委託することに複数のメリットがある一方で、リスクもあります。

そのひとつは、証拠集めが不十分だったり、集めた証拠が思うような効果を発揮しなかったなど、依頼者の求めていた成果を得られないケースがあるということです。

また、調査員とのコミュニケーションに不満を感じることや、調査員同士の連携不足にやりにくさを感じるケースがあります。

調査内容は多岐にわたり、それぞれに専門性が必要ではありますが、担当者が細かく分かれすぎていて、何かを尋ねたいときに誰に聞くかを選ばなければならないのはとても面倒です。

いずれの不満も、外部調査組織の力不足によるものですので、外部調査を依頼する組織をしっかり選定することでこういったリスクは回避できます。

失敗しない外部専門家選びのポイント

ここまで社内の不正調査を外部専門家に依頼することのメリットと起こりうるリスクについてお伝えしました。

残念ながら、どこの外部調査組織に依頼しても、同レベルの結果が得られるということではありません。

しかし実力をしっかり見極めて依頼することで、これらのメリットを間違いなく感じることが出来るでしょう。

ここからは、失敗しない外部専門家の選び方と、そのポイントについてみていきましょう。

小規模で専門性が高い

外部専門家を選ぶときのポイントのひとつは、小規模で専門性が高いことです。

組織を判断するとき、規模が大きいというだけで間違いがないように感じさせられることがあります。

もちろん、世の中には大手に頼むべきことも複数ありますが、社内不正の外部調査を依頼する先については小規模である方が望ましいといえます。

小規模かつ、ひとりで複数の専門性を持つジェネラリストで構成された外部調査組織が特におすすめです。

調査員それぞれが複数の担当を持つことで、より深く多角的に物事を判断して、そこから先につなげることができる調査組織を選ぶことをおすすめします。

指揮命令系統が透明で方向性が共有できている

外部調査組織とのやりとりはスムーズでわかりやすいのが一番です。

誰に聞けば良いのかわからない場合や、聞きたいことの回答がなかなか返ってこない、何かを頼んでもすぐに必要な担当者に届かないということになれば、ストレスが生じます。

また、それぞれの担当者が自分の仕事のみに集中しすぎているのも良い結果にはつながりません。

縦横の連携がしっかりできていて、指揮命令系統が透明な調査組織を選んでください。

当たり前のようですが、今回の調査担当の責任者を明確にしてもらい、連絡方法をしっかり確保することが大切です。

また、すべての担当者が方向性を共有していることも重要なポイントです。

担当者の誰に聞いても依頼者の意向を組んで適切な回答が返ってくる調査組織を選んでください。

信頼できる

社内不正調査を外部専門家に依頼する場合、組織内の裏も表も共有することになります。

そこにためらいが生じたり、適当に調査してもらって、良いとこだけを得ようとすれば、思う結果が得られない可能性があります。

基本的に外部専門家に対して、すべてをさらけ出すことはマストではありません。

ですが、本当に不正問題に真摯に向き合い今後の糧に育てようとするなら、外部専門家を信頼して預ける気持ちが必要です。

そのために、依頼者として最も信頼できる外部調査組織に依頼してください。

調査組織の規模や、ホームページの売り文句だけで判断せずに、面談でしっかり見極めることで、失敗なく外部調査組織を選定することができます。

不正調査の外部委託で失敗しないために組織がやるべきこと

不正調査を外部委託して、それを失敗なく遂行するために組織が心掛けておくべきことがあります。

ここでは、外部調査を依頼するときの組織の意識の持ち方についてみていきます。

秘密保持の徹底

不正調査で大切なことは証拠をしっかり集めることです。

特に状況証拠ではない法的に有効な証拠を集めていく必要があるのですが、もし調査対象者や関係者に調査していることがバレてしまえばそれを隠蔽される可能性があります。

不正調査自体は決して後ろめたいものではありませんが、証拠保持の観点から、内部・外部調査は、できるだけ秘密裏に行うのが望ましいといえます。

外部調査の専門家は、依頼された方の意向に沿って行動します。

依頼者が秘密に調査を希望するなら、外部調査側から従業員や周囲にそれが漏れることはありません。

組織としては、組織内で秘密漏洩が起きないよう徹底的管理に努めてください。

外部専門家をしっかり選択して信頼する

不正調査を実施している調査会社はいくつもあり、調査会社の質や特徴はそれぞれです。

どこでも良いということはありませんので、料金やネームバリューだけで決めてしまわないようにしてください。

社内不正の取り扱いはとてもデリケートです。

その方法によっては、組織そのものの信用問題や、従業員との信頼関係にまで影響が及びます。

組織の望む結果を出してくれるのかどうかという点や、きちんと信頼関係が築けるのかなど、多角的に検討してどこに委託するかを決めることをおすすめします。

まとめ:外部調査の依頼先をしっかり検討することが組織の明るい未来を作る

この記事では、社内の不正調査を外部専門家に依頼するメリットと、起こり得るリスク、そして外部調査の依頼先の選び方について解説しました。

組織が社内不正を是正して良い方に成長するために、内部調査と外部調査は必要です。

特に、組織内部だけでは行き届かない調査を、しっかり行うために外部調査は欠かせません。

外部調査にはメリットだけでなくリスクもあります。ですが、このリスクは依頼する調査会社をしっかり選定することで回避できます。

社内不正は他人事ではなくどんな組織でも起こり得ます。そこで大切なのはそれをどう対処するかという点です。

良い外部調査会社を選んで、社内不正に向き合うことで、組織がより強く大きなものに育っていくことを心よりお祈りいたします。

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