社内不正や犯罪の見つけ方・防ぎ方【役員や管理者のケース】

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組織はそれを構成する従業員すべてによって成り立っています。中でも役員や管理者といったいわゆる要職者の行動次第で、組織は良い方にも悪い方にも傾きやすいものです。役員や管理者が組織を引っ張る役割を正当に果たしていれば良いのですが、社内不正・犯罪といった行動を起こすとその影響はとても大きなものになります。

今回は、役員や管理者による社内不正・犯罪について確実にみつける方法と防止のためにやるべきことを調査会社の担当者が解説します。大切な組織を守るための参考になれば幸いです。

役員や管理者による社内不正・犯罪は組織存続の危機につながる

社内不正・犯罪の形はいろいろありますが、中でも役員や管理者が関わっているものは問題が大きく、それに組織が揺るがされることもあるのです。

役員や管理者は組織の内部事情や秘匿情報を知る立場にあったり、金銭を動かす権限を持っていたりします。組織としては当事者を信頼し組織のためにその権限を与えているわけですが、信頼と同時にそれを悪用される可能性について考えておく必要があります。

役員・管理者による不正のタイプは多種多様で、創業年数の浅い組織で役員や管理者と組織との繋がりが長くない担当者が問題を起こすケースもあれば、一般従業員時代から時間をかけて役員・管理者になった担当者が不正や犯罪に関わるなどさまざまです。

いずれの組織にしても、役員や管理者による社内不正・犯罪は他人事ではありません。現時点で不安なことがあるならすぐに対処にあたってください。現状では問題を感じない組織でも問題抑制対策について考えてみてはいかがでしょうか。

役員や管理者の社内不正・犯罪をみつけるためにやるべきこと

社内不正や犯罪はできるだけ速やかにみつけることがまず大切です。役員や管理者の不正をみつけるために組織としてできる具体的な対策をみていきます。

休暇を取らせて行動をチェックする

役員や管理者の業務における日常の行動を確認するために、一週間程度のまとまった休暇を与えて席を空けさせる方法があります。

その間に書類やデスクの確認ができるほか、かかってくる電話やメールの状況を知ることができますので、それらに問題がないかチェックしてください。休暇中に極端に電話がかかってこなかったり、メールやパソコンがロックされているようであれば、グレーとして様子をみる対象になります。

昨今は携帯電話でのやりとりが一般的ですので、組織が貸与している携帯電話があればそれもチェック対象となります。何か具体的に問題を探し出すのはもちろんですが、不自然に感じる点がないかを探れるのがこの方法の利点です。

休暇中にチェックできる範囲には限りがあるので、これだけではっきりとした不正・犯罪の証拠をみつけるのは難しいかもしれません。ですが、普段は立ち入ることのない個人のスペースをチェックすることで、糸口が見えたり当事者の人となりが知れたりします。それが、社内不正・犯罪をみつけるきっかけになることがあります。

一般従業員からの聞き取り

社内不正・犯罪は同じ立ち位置にある人や、組織内の少し離れたところからは見えにくいのが特徴です。ですが、当事者と普段から一緒に仕事をしている一般の従業員は気づいていたりします。はっきりとした確証がなくても、なんとなくという印象は問題発見にとても有用です。

例えば「同じ曜日や時間帯に席を外すことがよくある」、「特定の人物と懇意にしている」、「生活態度が派手・羽振りがよい」、「異性の噂がある」といった情報は、一般従業員がよく知っています。ただし知っていたとしても確証がなかったり、問題に関わりたくないと思えば、わざわざこの事実を通報することは少ないのです。

そこで、あえて一般従業員からの聞き取りの時間を設けて通報しやすくすることをおすすめします。通常はちょっとした噂話のレベルであったり、個人的な感想に思える話しは積極的にはしたがらないことが多いものですが、組織担当者は、本人のプライバシーや立場を守る姿勢を示して話しやすい状況作りをすることが大切です。

第三者組織を介入させる

役員や管理者との信頼関係を守りながら、抜かりなく社内不正・犯罪をみつけるのであれば、調査会社の利用が有効です。

先に挙げた休暇中のチェックや、一般従業員からの聞き取りの後ろ盾・実施を調査会社に任せる方法があります。また、それ以外にも電子機器を専門的に解析して事象と照らし合わせるといった調査会社にしかできない本格的な調査が可能です。

組織という閉鎖された環境内では問題を見つけることはもちろん、見つけた問題をどう扱うかがとても難しいところです。何かしら問題があると感じていても事情で動けなかったり、そもそも問題があることに気づいていない組織も珍しくありません。

そこで、役立つのが第三者の視点です。信頼できて専門性の高い調査会社を利用することで、組織の外部・内部両方との信頼関係を守りながら問題解決を進めることができます。今ある問題を解決するためや、継続的な問題防止策として調査会社の利用をご検討下さい。

登用前に身辺チェックを実施する

役員や管理者による社内不正・犯罪を防止するために最も大切なことのひとつは、登用前にきちんと身体検査をしておくことです。

他社から迎え入れたり、ビジネスパートナーを起用したり、または長らく勤務している従業員から選出するなど、役員や管理者の選び方は複数あります。これまでの経験や実績が評価されてそこに至るわけですが、人間誰しも多面性が在り組織には見えない部分はあります。完璧な人物は存在しませんが、予見できる問題をはらむ人物かどうかを登用前に確認することはとても重要です。

過去の職場での評判や本当の実績、プライベートでの様子を事前に調査すると安心して役職を任せることができます。正確かつもれなく調査するには専門的な知識とスキルを要しますので、調査会社を利用するとスムーズです。

人間は変化するものですので、過去に問題が無ければこれから先も問題がないとは言い切れません。しかし、過去から現状での実態を把握することで、本当にその地位に相応しく信頼できるかどうかの大きな判断基準にはなります。

役員や管理者の社内不正・犯罪対策で気をつけること

人はそれぞれの立場や持っている権限によって行動や考え方が異なります。役員や管理者にも特有の行動がありますので、それを理解して不正や犯罪の対策と予防に臨むことが必要です。

ここでは役員や管理者の社内不正・犯罪対策で気をつけることについて解説します。

一般従業員との癒着を注視する

役員や管理者の問題行動で注意しなければならないのは一般従業員との関係です。日常、すぐ側で仕事をしている一般従業員は役員や管理者との接し方を伺っているところがあります。いわゆる顔色をみながら仕事をしている状態です。

一般従業員は、余計な行動で自分の立場が不利ならないよう行動していますし、それが場合によって犯罪や不正の片棒を担ぐことになっていることもあるのです。そうなれば一般従業員は、不正や問題を通報したり相談したりしにくくなりますから、問題が大きくなったり発覚が遅れることもあります。ケースによっては一般従業員が、どっぷりと問題に加担していることもあります。それを想定しつつ、該当者の周りにいる一般従業員についても調査する必要があるとご留意ください。

役員や管理者の問題行動の程度が長引けば長引くほど一般従業員への影響は大きくなりますので、できるだけ速やかな対応が望まれます。

外部業者への圧力

役員や管理者は組織内で大きな権限を持っています。取引先を決めたり付き合い方を決めるときには役員や管理者の力が影響します。そのため、取引先など外部業者は役員や管理者に気を遣うことになります。何らかの問題となる要求を受けたとしても、それを突っぱねにくくなるということです。役員や管理者が外部業者に間違った圧力をかけていたり癒着があれば、組織は不利益を被ります。それを回避する対策を考えておく必要があります。

できれば定期的に該当業務の担当役員や管理者を配置転換するのが望ましいですが、人員や労力の点で現実的ではないかもしれません。その場合は、外部業者との打ち合わせにほかの役員が同席したり、実務を担う一般従業員から定期的に聞き取りを行うなどで対応するのもひとつの方法です。

役員や管理者のみが知り得る情報の取り扱い

役員や管理者は組織の核を握る立場にあります。一般従業員では知り得ない組織の情報を共有していることもあり、それを外部に漏らされると組織は大きなダメージを受けます。過去の事件でもみられますが、組織の重要な情報を持ってライバル社に転職する役員や管理者も実際に存在しています。また、転職せずとも情報を横流ししているケースも想定しなければなりません。

立場を利用した不正・犯罪は許せないものですが、そういった事例が想定できる以上、組織としてはしっかり自衛する必要があります。情報の取り扱いについては、ハード・ソフトの両面からしっかり対応してください。

役員や管理者の社内不正・犯罪を防ぐためにできること

組織は、役員や管理者をしっかり信頼すると同時に、社内不正・犯罪を防ぐ体制を整えることがとても大切です。不正や犯罪は役員や管理者の個人のもともとの資質によるところも大いにありますが、権限を持つことでこれまで隠されていた性質があらわになることがあります。権限が人格を操ったと思わざるを得ない事件は古今東西でみられますが、立場によって何かを得られる可能性を得たことで、人格までもが大きく変わる人がいるのです。

場合によっては、周りから悪い誘惑を受けてそれに乗ってしまう人もいます。何にせよ不正や犯罪の抑止には自制心が重要であることはまちがいないのですが、同時に不正や犯罪をさせない、できない環境を作っておくことが組織の務めです。具体的に組織ができることとして、相互チェック機能を高めることや、全ての従業員を対象に使いやすい不正・犯罪通報窓口を設けるのも有効です。

また、調査会社を使って恒常的に組織内の透明化を図ることで風通しの良い職場環境が実現します。信頼することと野放しにすることとはちがいます。事件が起きれば「全て信頼して任せきっていた」は通用しません。信頼の裏付けをしっかり持ちながら権限を渡すことが、本当の強い組織作りにつながります。

役員や管理者の社内不正・犯罪こそ調査会社を利用すべき理由

信頼できる役員や管理者が得られるかどうかは、組織の未来に影響します。そして、そのことを多くの経営者は実感しています。ですが、その対策は簡単ではありません。

創業年数の浅い組織であれば、外部から役員や管理者となる人を受け入れたり、付き合って間もないビジネスパートナーを役員や管理者に登用することもあります。また、長年付き合いのある人を見込んで役員や管理者に据えたとしても、想定できない問題が発生することもあります。

こういった大きなトラブルをできるだけ抑えて予防するには、経営陣の経験則や直感だけに頼らず調査会社の利用が有用です。調査会社では、該当となる人の過去の評判や実績を調査したり、プライベートや仕事中の行動を確認することができます。パソコンや携帯電話など通信機器を専門的に調査することも可能ですので、組織の抱える問題や経営者の希望に添った調査を実施することができます。組織と役員・管理者や一般従業員がしっかりとした信頼を築くために必要な適切な裏付けを提供するのが調査会社です。

予防や対策の必要性を感じているが、時間や労力が取れない組織におすすめです。また、組織として、役員や管理者を直接調査することにためらいがあるのであれば、第三者機関を適切に利用することで、心理的抵抗と実際の不満が減らせます。組織運営の不安要素を取り除くための対策を外注してプロに任せることで、本業に注ぐ時間と労力が確保できます。

まとめ:しっかりとした対策で社内不正・犯罪から組織を守る

ここまで役員や管理者による社内不正・犯罪の見つけ方や防ぎ方について、調査会社の担当者が解説しました。

社内不正や犯罪を他人事とは考えず、組織としてできる対策から始めることを提案します。社内不正・犯罪の発見と予防は組織だけでなく、当事者となる役員・管理者や従業員のためでもあります。不正や犯罪がおきにくい環境整備で、しっかり対策してください。

またその際、必要に応じて調査会社を利用するのがおすすめです。組織に適した対応が受けられますのでまずはご相談ください。根幹を固めて、ますます強い組織に育っていくことを心よりお祈りしております。

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